耐震診断は保険にあらず

最近、また無料の耐震診断が流行していますが、昭和56年以前に建てられた家は、現在の建築基準からすると基本的に安全とはいえません。

耐震の考え方は、㈰丈夫な基礎 ㈪基礎と柱の緊桔 ㈫強い壁 ㈬全体のバランス等です。現在の規準に当てはめるとどれも数値的に足りなくなるのが普通です。そこで、建て替えをせずに倒れにくくする為に、どこをどのように補強すれば良いのかを見つけ出すのが耐震診断の大きな目的なのです。数値的に安全とまでは行かなくても、良い数値が出たからと言って安心してはいけません。基礎と柱が緊桔されている家は少なく、阪神・淡路の震災のときには、柱が土台から抜けて腰砕けのように倒れてしまった家が殆どでした。一方、数値が悪いからといって、直ぐに建て替えなければということもありません。国土交通省(旧建設省)の監修による補強方法でしっかり補強すれば、現行の規準に限りなく近づけます。

昭和56年以前に建てられた家にお住まいの方は、基本的に補強が必要です。しかし、建て替えを考える前に計画的に耐震補強をして下さい。30坪位の家を解体するとトラック20台以上の廃材が発生します。限りある資源を有効に使いたいと思います。