屋根のこと

日本の在来工法で建てられた家は、基本的に経年で建て替える必要はありません。数百年持つ様な材料と作り方がされています。しかし何もせずに数百年持つわけではありません。障子は毎年・畳は4~5年で裏返して10年位で表替えをします。畳床は数十年使えます。柱や梁は雨漏れや漏水・シロアリに食われなければそのまま使えます。

さて屋根ですが、上等な瓦は50~60年位問題ありません。銅板もかなり長持ちしますが、酸性雨や、砂が飛んでくる様な海辺では持ちが悪くなります。よく使われているカラーベストですが、材料の性質上割れます。飛来物で割れたり、人が乗ると割れたりします。新しい材料の場合は弾力性もあり、屋根屋さんも下地のしっかりしたところを歩くので割れることはないのですが、冬の寒さから夏の暑さ迄70~80度の温度差を20~30年受け続けると材料の硬さも増して割れやすくなります。カバー工法といって今の屋根の上にそのまま屋根をかけることを宣伝していますが、勧められません。屋根の命は仕上げ材ではなく、下葺き材で決まるからです。雨水は仕上げ材で受けますが、漏れた雨水は下葺き材が受けて雨漏れにならないようにガードしているのです。

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